日本生活体験学習学会

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研究大会

学会企画シンポジウム報告

2017.10.5更新

9月3日、シンポジウム「コミュニティ・スクールにおけるカリキュラムづくりをどうすすめるか-カリキュラムづくりへの地域・保護者参加と体験学習の構築」を開催した。
次期学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」がキーワードとなり、コミュニティ・スクール(以下CS)には、教育課程編成に関わる役割が期待されている。社会と結びついた授業を展開し、新しい時代に応じて求められる資質・能力を育成していくためには、学校教育において体験学習が今まで以上に重要になってくると考えられる。そこでシンポジウムでは、四人の実践報告に基づき、学校教育での体験学習の位置づけとCSの役割について議論した。司会は上野景三会員(佐賀大学)、長尾秀吉(別府大学)である。
中川忠宣会員(大分大学)は、様々なCSの効果と、殆どの教員は多忙にならないことを調査データで示し、教職員の意識改革の必要性を指摘された。伊東俊昭氏(佐伯市宇目緑豊小学校長)は、学力の高さと自尊心の低さという発達の偏りを解消するために、学校において達成感を味わえる「本物」の体験学習の必要性を説いた。朝倉脩二氏(都城市庄内地区まちづくり協議会事務局長)からは、庄内地区4校(3小・1中学校)を地区全体で支えるCS懇話会の仕組みと協議会による教師のための地域巡視研修の取り組みについて報告された。植村秀人氏(南九州大学)からは、学校教育での農業体験実習の有効性(教材化が容易、住民が主導しやすい、地区組織が活性化する等)について報告された。
質疑では、「学校の体験学習をどう評価するのか」、「体験学習と子どもの実生活との乖離をどうするか」、「主体的な体験は学校教育で可能か」等の本質的な質問があり、非常に有意義な議論を行うことができた。各報告から、学校教育において質の高い体験学習の実現が可能であること、そのためにどのような工夫や努力が必要であるのかを学ぶことができた。四氏に感謝申し上げる。

プロジェクト研究担当理事
長尾 秀吉(別府大学)

現地企画シンポジウム報告

2017.10.5更新

9月2日(土)午後、現地企画シンポジウム「幼児期からの生活体験」を開催した。近年注目を集める“幼児期からの子どもの育ち”をテーマに、“宮崎の先進的な実践報告”を交えながら、本学会の原点である“生活体験”について議論する場が設けられたこと自体に、大きな価値があったように思われる。
シンポジウムの第一部では、宮崎の豊かな実践が報告された。「あいいく幼稚園」の椎葉恵子園長からは、自然環境を生かした躍動感のある体験が子どもの日常に根付いていく姿を、「石井記念友愛社」の児島草次郎理事長からは、児童養護施設の中での発達保障の大切さと自立教育の意義を、短い時間の中で存分に語って頂いた。コメンテーターである横山正幸会員(福岡教育大学名誉教授)の「断片的ではなく連続的な、質の高い体験である」という言葉に代表されるように、一つのモデルとなり得る魅力的な実践報告であった。
 それを受けて第二部では、研究者による話題提供が行われた。野﨑秀正氏(宮崎公立大学)からは、自身の家庭での生活体験実践が語られるとともに、「カリキュラムの顕在性」が高く「園と家庭との連続性」のある生活体験の可能性が示唆された。山下(宮崎国際大学)からは、環境心理学の立場から、生活体験の「自己化」を促す子ども主体の遊びの重要性について話題提供を行った。山田裕司会員(南九州大学)からは、保育施設を対象とした全国調査の結果を元に、園庭のない園の地域との連携の在り方を紐解きながら、園と地域との連携の多様性が示された。
 質疑応答では「地域とは何を指すのか」、「幼小の連続性の難しさ」、「社会的養護の今後」について議論された。幼児期からの生活体験にスポットライトが当たったからこそ、今後深めるべき論点が見出されたのではないだろうか。
最後に、コーディネーターである古賀倫嗣会員(熊本大学)から「①幼児期の発達の可能性」、「②基本的信頼関係の重要性」、「③子どもの遊びの価値」の三点がまとめとして提示され、本シンポジウムは無事閉会となった。参加者各々に持ち帰るものがあったのであれば幸いである。

第19回日本生活体験学習学会宮崎大会 現地実行委員
山下 智也(宮崎国際大学)

自由研究発表報告

2017.10.5更新

第19回研究大会の自由研究発表は、乳幼児期における「親の関わり・学び」に関する発表が3事例、震災復興に関わる子どもの体験活動とレジリエンスに関する発表が1事例であった。
「親の関わり・学び」に関する発表では、「発達資産」(生活体験を豊かに生み出すための基礎となる環境や内面をさす概念)について、保護者の発達資産の認識と、保護者の認識する園の保育内容や生活に関する認識の関連についての分析を基にした、園の分類による特徴についての報告があった。また、保護者の「一日保育士体験」による保育園や我が子に対する気付きから、保護者の「保育園への信頼づくりに繋がること」や「子どもの違った側面の発見に繋がる」ことなど、こうした取組の効果に関する報告があった。さらに、家庭教育を重視する熊本県の、幼児期における「くまもと『親の学び』プログラム」の取組の報告があり、それぞれの報告から、乳幼児期の生活体験を含む、「親の関わり」の重要性とその取組について協議をおこなった。
さらに、玄海島での子ども達の体験活動とレジリエンスに関する発表では、社会的な震災からの復興とともに、子ども達の「被災から体験を通して学ぶ」取組について具体的な報告があった。震災直後から物的・心的支援を全国から受ける体験は、東日本大震災の復興にも見られたように、それに応じて生じた感謝の気持ちを込め、和太鼓での演奏を各地に届けたり、島を訪問する人を出迎えたりする取組などから多くのことを学んで、教育の復興も進んでいることが報告された。
総括討議においては、事例を基にしながら「生活体験」との関係を含めて具体的な討議が行われ、乳幼児期における「親の関わり・学び」については、午後の現地シンポジウム「幼児期からの生活体験」に繋ぐこととした。
今回の報告は4事例とも学会理事でしたが、今後、本学会の研究を発信し、発展するために多くの会員の方の研究報告が期待されるところです。

第19回日本生活体験学習学会宮崎大会 自由研究発表司会
中川 忠宣(大分大学)

宮崎研究大会を終えて

2017.10.5更新

9月2日(土)3日(日)、宮崎市の南九州大学宮崎キャンパスにて第19 回研究大会が開催されました。初の宮崎開催ということで心配しておりましたが、総勢56名、2日間延べ100名を超す方にご参加いただくことが出来ました。ご参加いただいた学会の皆様、一般参加者の皆様に、宮崎研究大会実行委員を代表しまして、心からお礼申し上げます。
プログラムは、初日午前は自由研究発表、午後は現地企画シンポジウム「幼児期からの生活体験」、そして2日目午前は学会シンポジウム「コミュニティ・スクールにおけるカリキュラムづくりをどうすすめるか-カリキュラムづくりへの地域・保護者参加と体験学習の構築-」という内容でした。そこでは、初の宮崎開催だからこそ「生活体験とは何か」という原点をふまえつつ、幼児期から学童期においての子どもの生活体験学習の重要性と園や学校、保護者や地域がいかに連携しながらその体験を支えていくかという論点が、2日間に渡って展開されていたかと思います。
宮崎の参加者からは、「大いに刺激を受けました。学校現場に戻った時の参考にしたい。うちの園でも生活体験を意識して取り組みたい。宮崎でもすばらしい実践があるんですね。今度このような会があるときは、一緒に企画からかかわりたい。」などの感想をたくさんお寄せいただきました。
最後に、今回もう一つの成果が、3大学6名の会員内外の方々と実行委員会を結成し取り組んで来たことでした。10ヶ月5回に及んだ実行委員会では、単なる準備の話し合いではなく、出来るだけ多くの時間を「生活体験とは何か」という議論の時間にあて、委員相互の研究交流の機会にあてることが出来ました。
このように宮崎では研究大会開催を契機に、「生活体験学習」の議論が始まり、つながりが始まりつつあります。宮崎研究大会の開催にあたり、ご協力いただきました関係者の皆様に心よりお礼申し上げ、報告を終わりにしたいと思います。
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第19回日本生活体験学習学会宮崎大会 大会実行委員
相戸晴子(宮崎国際大学)

第19回研究大会要項

2017.6.20

2017年9月の研究大会は、南九州大学宮崎キャンパスでお迎えします。本学会初めての宮崎での開催になります。宮崎は、自然、歴史、文化が数多く存在し、方言や人々のつながりなど宮崎特有の良さがたくさんあります。とはいえ、子どもたちの育ちの状況では、メディア接触過多の子ども、外遊びの減少、体験活動の不足などの問題が徐々に深刻さを増している状況があります。
そこで、本研究大会において、多くのみなさんと「生活体験の意義と必要性」について議論し、宮崎の学びのスタートにしたいと思います。多くのみなさんのご参加を心よりお待ちしております。

第 19回大会要項

第19回研究大会(宮崎大会)開催案内・自由研究発表申込募集について

2017.2.16更新

2017年9月の研究大会は,南九州大学宮崎キャンパスでお迎えします。
本学会初めての宮崎での開催になります。
多くのみなさまのご参加を、心よりお待ちしております。

日程:2017年9月2日(土)-3日(日)
会場:南九州大学宮崎キャンパス(宮崎市)

※プログラムの詳細については,確定次第,改めてご案内いたします。

併せて、第19回研究大会(宮崎大会)の自由研究発表を,以下の要領で募集いたします。

◆日 程   2017年9月2日(土)(予定)
◆発表時間  個人発表20分・質疑5分   
        共同発表25分・質疑5分
◆発表申し込み
  ・自由研究発表を希望される方は,「日本生活体験学習学会第19回研究大会自由研究発表エントリー用紙」に必要事項をご記入の上,事務局までお送り下さい。
  ・締切日:2017年 2月 28日( 火 )必着 
  ・申込方法:メールもしくは郵送にて受け付けます。(FAXは不可)
  ・郵送先:〒870-1192 大分市大字旦野原700 大分大学教育学部永田研究室内 日本生活体験学習学会事務局
  ・e-mail:info@seikatsu-t.org
◆注意事項
  ・発表者ならびに共同発表者は本学会の会員であること。
  ・2017年度までの会費を完納していること。
 ※発表者ならびに共同発表者は,以上の2点を満たしておく必要があります。
◆発表要旨提出
発表申込をされた会員には,学会事務局より発表要旨に関しての連絡をいたします。
その連絡事項に従い,学会事務局まで発表要旨を,下記の日程までにご提出下さい。
  ・締切日:2017年 7月 31日( 月 )必着 (締切厳守でお願いします)

自由研究発表エントリー用紙

第19回研究大会について

2016.10.11更新

次回の第19回研究大会は、2017年9月に宮崎県にて開催を予定しています。
プログラム等の詳細については、今後事務局だよりやホームページ等を通してお知らせいたします。多くの方のご参加をお待ちしております。

第18回研究大会(熊本大会)報告

2016.10.11更新

日本生活体験学習学会第18回研究大会は、2016年9月10日(土)、熊本大学教育学部を会場に開催されました。
 熊本は、4月14日、16日の両日「震度7」の大地震が発生、死者50名、倒壊家屋16万棟、最多時は県民の1割に及ぶ18万人もの避難者をみるなど、大きな被害をもたらしました。特に、8月までに「震度1」以上の地震が2,000回を超えるなど、余震の多さは記録的なものです。そうした中、幸い、会場となる熊本大学教育学部は、4年前に実施した耐震工事の成果でしょうか、ほとんど被害がありませんでした。そのため、学会事務局とも相談の上、予定通り熊本で開催することとなったしだいです。
そういう意味では、どのくらいの方がご参加いただけるか不安はありましたが、今回の公開シンポジウムが「コミュニティ・スクールにおける生活体験の可能性」をテーマに掲げ、「今、なぜ学校と地域との連携・協働か」を踏まえた、コミュニティ・スクールに求められる諸課題を問うものになったことから、県教育庁・教育事務所、市町村教育委員会、取組みの学校など、広範に広報を行ったことから、会員外を含め約60名の参加者を得ることができました。復旧・復興等ご多用な中、ご参加いただいた皆様には厚くお礼申し上げます。
2015年12月、国の中央教育審議会は「新しい時代の教育や地方創生に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申)」、いわゆる「地域学校協働答申」を発表、「目指すべき姿」として「地域とともにある学校への転換」「子どもも大人も学び合い育ち合う教育体制の構築」「学校を核とした地域づくりの推進」をうたいました。そしてその推進軸が「コミュニティ・スクール」とされています。2003年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)の一部改正により法制化された「学校運営協議会」は12年を経て大きくその意味を変え、「地域教育計画」、「社会計画」の担い手として位置づいてきたといえるでしょう。
そうした問題意識から、熊本大会では、登壇者として、全国的な実態調査を精力的に進めてこられた山崎清男会員(大分大学)、九州で最初のコミュニティ・スクール、福岡県春日市立春日小学校で指導的役割を果たしてこられた井上豊久会員(福岡教育大学)、さらに、熊本県における実践先進校として大津町立護川小学校コミュニティ・スクールの千田哲夫事務局長をお迎えし、コーディネーターを長尾秀吉会員(別府大学)と古賀倫嗣(熊本大学)が務めました。その詳細については「シンポジウム報告」に譲りますが、「コミュニティ・スクールとは何か」「その必要性」「その有効性」を確認することにより、本共同研究の問題意識の深化、共有化につながるものになったと考えております。運営や進行をさせてくださいました皆様にお礼を申し上げて、大会報告に代えさせていただきます。本当にありがとうございました。  

第18回日本生活体験学習学会熊本大会 大会実行委員長
古賀倫嗣(熊本大学)

第18回研究大会シンポジウムならびに懇親会のご案内

2016.8.5更新

下記の要領で、第18回日本生活体験学習学会研究大会を開催いたします。

<研究大会>
日時     2016年9月10日(土)
場所     熊本大学
プログラム  午前:自由研究発表
       午後:シンポジウム  14:00~16:30
           「コミュニティ・スクールにおける生活体験の可能性」
  ※詳細は「第18回大会要項」ならびに「シンポジウムチラシ」をご確認ください。

なお、前日に懇親会も開催されます。
懇親会につきましては、〆切間近となっております。
参加を希望される方は、申込用紙にご記入の上、FAXまたはE-mailにてお申し込みください。

<懇親会>
日時   2016年9月9日(金)  18:00~
場所   KKRホテル熊本
参加費  6,000円
申込〆切 8月19日(金)

皆さまのご参加をお待ちしております。

第 18回大会要項
シンポジウムチラシ
懇親会参加申込用紙

第18回研究大会(熊本大会)大会要項等

2016.6.7

熊本では、平成21年の第10回大会、平成25年の第14回大会と開催されてきましたが、特に、第14回大会は「つながりが創る豊かな家庭教育と生活共同」を大会テーマに、研究発表及び公開シンポジウムを通して「子育て支援の、今」を協議しました。
 なかでも、公開シンポジウムでは、政権交代という時代背景を踏まえ、「今、求められる家庭教育支援とは-子どもの生活から問題を考える-」を研究テーマに掲げ、教育委員会部局(家庭教育)、特定非営利活動法人(子育て支援実践)、社会福祉法人(社会的養護施設)からゲストの登壇者をお招きし、それぞれの立場から「子育て支援の、今」が当面する現状と課題を明らかにし、問題意識を共有化する協議として有益でした。
平成27年12月、国の中央教育審議会は「新しい時代の教育や地方創生に向けた学校と地域との連携・協働(答申)」を発表、「目指すべき姿」として「地域とともにある学校への転換」「子どもも大人も学び合い育ち合う教育体制の構築」「学校を核とした地域づくりの推進」をうたいました。そしてその推進軸が「コミュニティ・スクール」とされています。平成16年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)の一部改正により法制化された「学校運営協議会」は、10年余を経て大きくその意味を変えてきたといえるかもしれません。熊本大会では、「今、なぜ学校と地域との連携・協働か」を踏まえた、コミュニティ・スクールに求められる諸課題が問われることになるでしょう。
9月には、今次の熊本地震による被災からの復興が大きく進んでいることと思われます。
会場となる熊本大学教育学部は、ほとんど被害がありませんでした。熊本大会は、山城千秋会員と、古賀倫嗣がお世話させていただきます。多くの皆様方のご参加を心よりお願い申し上げて、熊本大会のご案内とさせていただきます。

第 18回大会要項

懇親会参加申込用紙