日本生活体験学習学会

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日本生活体験学習学会とは?

学会の趣旨

子どもたちの健やかで、生き生きとした発達を促進する教育的活動として「生活体験学習」の重要性が指摘されていますが、具体的な実践や支援活動はまだ十分なものとはいえないのが現状です。私たちは、こうした実践活動をいっそう進めるとともに、それを理論的に支える基礎的研究を深めるために、「日本生活体験学習学会」を設立しました。

本学会は、子どもの生活体験学習や生活体験事業に携わっている実践者と研究者によって構成されています。生活体験学習は、さまざまな実践領域での取り組みを求められるものであり、また、さまざまな学問の垣根を超えて取り組まれるべき学際的な研究課題であるからです。そのため、本学会は、常に実践と研究の両面を視野に入れた運営を行いたいと考えています。

具体的には、子どもの生活体験学習に関心を持つ会員相互の経験の交流と情報交換を中心とする実践交流会と、そうした実践を支えるプログラム開発や事業計画、子どもの発達や子育て支援などの課題について研究発表する研究大会の2つを柱に、生活体験学習の啓発、普及、研究活動に取り組んでいます。

生活体験学習の現代的意義

いじめ、無気力化、暴力的攻撃性、社会的コミュニケーション能力の未発達など、子どもたちの発達に関わるさまざまな社会的問題が頻発しています。時には、社会を震撼させる衝撃的な事件も起きています。また、子どもたちの生活のなかで、多様なメディアが果たす役割がきわめて大きくなっていることも指摘しておくべきことでしょう。

ケータイ(電話)やインターネットを媒介とすることによって成立する、現実体験を伴わないバーチャル(仮想的)な関係は、やもすると個性的な人間関係を歪め、社会問題化することもあります。

こうした問題の背景には、基本的生活習慣や生活技能、遊び体験などが乏しくなっており、自主性、自発性、社会性、耐性など「生きる力が年齢相応に発達していないことがあげられます。生活体験学習の機会提供、さらにはこうした能力を身につけさせるための体験学習プログラムの開発と普及、人材養成や施設面など環境整備が急がれています。

とはいえ、自ら生活をつくり上げる力や他者と関わる力など、言い換えれば、子どもたちのエンパヮーメントを生み出す検証可能なプログラムはいまだ開発されていません。学校や家庭、地域など、子どもの生活体験に関わる推進主体が、次代を担う子どもたちの「生きる力」を引き出すために、それぞれどのような固有の役割と責任を果たすべきか、私たちが直面している課題は実に大きいものがあります。

子どもはさまざまな発達の可能性をもった存在ですが、可能性が開花するためには、年齢相応に体験すべきことを自ら体験することが出発点になります。子どもは、このような発達課題を達成し、はじめて自分のもっている可能性を実現させていくことができるのです。

子どもたちが生き生きとした個性と生活の獲得をめざすことを援助し、自律性を持つ主体として育成すること、これが生活体験学習の現代的意義といえましょう。

主な研究活動・普及活動

  • ・研究大会の開催
  • ・実践交流会の開催
  • ・学会誌『生活体験学習研究』(The Japanese Society of Life Needs Experience Learning)
    および研究年報の刊行
  • ・学会通信の発行(3ヶ月に1回程度)
  • ・ホームページ等における生活体験学習に関する情報提供および研究成果の公開
  • ・公開シンポジウム、公開セミナーの開催
  • ・その他の生活体験学習の実践、研究を推進する事業

事務局情報

2016年4月現在、当学会の事務局は下記の通りです。

生活体験学習学会事務局
〒870-1192 
大分市大字旦野原700
大分大学教育学部
永田研究室内
電話/FAX:097-554-7559
E-mail: info@seikatsu-t.org
学会HP: http://seikatsu-t.org/